Substance Painter 2017.2.0

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Substance Painter 2017.2.0のリリース

Substance Painter 2017.2.0が2017/07/27にリリースされました。

Substance Painter 2のライセンスを保有している方は2017/09末までアップデート権がありますのでダウンロードできます。

既にSubstance Painter 2017.1を使用している方は、起動時にメッセージが表示されます。

2017.1.0の時と同様で、Substance Painter 2とは別ソフトなのでSubstance Painter 2を起動してもアップデートのメッセージは出ません。


ニュースリリース

公式のニュースリリース

Substance Painter: Introducing Anchor Points and References | allegorithmic

解説動画


Substance Painter 2017.2: Using Anchor Points


ソフトの変更点

アンカーポイント

ヘルプ

Anchor Point - Substance Painter - Allegorithmic Documentation

今回のメインとなる機能追加です。

ペイントレイヤーやマスクのデータを他のエフェクトやジェネレーターから参照できるようになります。

手描きやマテリアルなどから生成されるHeightやNormalの情報を別レイヤーに適用できるため、1か所修正するだけで複数個所に変更を反映させるなどの複雑な表現が可能になります。

使い方は下の方でまとめています。

パフォーマンスの向上

テクスチャセットの読み込みなどが最大4倍高速化されています。

今後も性能向上を2~3ヵ月周期で計画しており、今回のは最初の1段階目です。

エフェクトのリネーム

アンカーポイント機能追加に伴い、Paint、Fillのエフェクト名を変更できるようになっています。

これはマスクとレイヤーどちらのエフェクトでも可能です。

エフェクトを多く使用しがちなスマートマテリアルを作る際に何のエフェクトなのか分かりやすくなりますね。

外部ツールとの連携

Substance Painterでの変更をリアルタイムに外部ツールと連携できるようになります。

まずはUnity用がリリースされています。

Substance Share « The Free Exchange Platform » | Live Link Substance Painter - Unity

しばらくしたら、UnityのAssetStoreにもリリースされるとのことです。


アンカーポイントの使い方

ハードサーフェス用のアルファセット

有料ですが、こちらのサイトで豊富なアルファセットが販売されています。

3D ART RESOURCES on Gumroad

Substance PainterのHard Surfacesデータのいくつかも、ライセンス契約の元でアルファ画像をノーマル形式に変換して収録しているようです。

動画でも、是非チェックすることをお勧めしますとのことです。

自分で作成となると手間がかかりますので、ハードサーフェスを扱う方は購入してもいいかもしれません。

値段は下限が示されているので、お金に余裕のある方は価値に見合った金額で、そうでない方でも最低額で購入できます。


ノーマルマップを使用したディテールの追加

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これから金属部分にディテールを追加していきます。


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初めにディテールを追加するためのペイントレイヤーを作成します。


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分かりやすいようにレイヤーの名前をDetailsに変更しておきます。

ここではノーマルマップを修正しますので、使用するチャンネルをNormalにして、ノーマルのテクスチャを設定します。

ノーマルデータをスタンプで書き込むので、アルファテクスチャは外しておきます。


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ノーマル情報の追加により凹んでいるように見えますが、エッジの摩耗処理が入っていないため他の部分との違いが目立ちます。

エッジの摩耗エフェクトに対して、追加したノーマルの情報を教えてあげる必要があります。

そこで使用するのがアンカーポイントです。


アンカーポイントの作成

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ノーマル情報が書き込まれた(参照される)レイヤーを右クリックして、Add anchor pointでアンカーポイントを作成します。


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上のメニューからも同じことができます。


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作成されたアンカーポイントは、レイヤーと同じ名前になっています。

特に問題が無ければ変更する必要もないでしょう。


アンカーポイントの設定

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ジェネレーターやエフェクトに、新しく項目が追加されています。

古いスマートマスクを使っている場合などは項目が表示されないので、ジェネレーターやエフェクトのアップデートが必要です。


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アンカーポイントを使用する場合に、一つ制約があります。

アンカーポイントを追加したレイヤーやマスクは、ジェネレーターやエフェクトより下に配置しなければいけません。


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レイヤーの順番を正しく設定すると、anchor pointsが使用可能になります。

また、マウスカーソルを当てるとどこのレイヤーにあるのかも表示されるので見やすくなっています。


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アンカーポイントを設定したら、参照レイヤーのどのチャンネルのデータを使用するか設定します。

今回はNormalチャンネルを使用しているので、normalを選択しておきます。

そしてこのデータを有効にするために、Micro_Detail_Micro_Normalの値をOnにします。


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これで追加されたノーマル情報を含めた状態でエッジの摩耗エフェクトがかかるようになります。


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参照設定なので、アンカーポイントを設定したレイヤーに新たに追加したデータも勿論エフェクトがかかります。


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参照設定後にレイヤーの順番を変更して、アンカーポイントを上に設定してしまうとエラーとなり、赤い表示が出ます。

これはレイヤーの調整を行うことで解消されます。

(試しにやってみたらエラーのままになったこともあるので、なるべくエラーになるような移動はしない方が良いかと思います。検証Ver.2017.2.0)


複数レイヤーへの適用

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アンカーポイントを使用したレイヤーを参照して、複数のレイヤーを同時に影響を与える方法です。


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アンカーポイントを設定したレイヤーを他のマスクが参照することで、一度に複数のレイヤーのマスク設定を調整することができます。

Referencesの項目はマウスカーソルを当てると該当レイヤーの右側に青色のラインが表示されます。


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アンカーポイントのReferencesから、直接エフェクトの設定を開けるので活用してください。


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記事の上の方でも軽く説明しましたが、Paintエフェクトと、Fillエフェクトの名前を変更することができるようになりました。

ダブルクリックで入力状態になります。

Substance indie版 セール情報2017/07/13~2017/07/29

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モンスターディスカウント

概要

Substance Monster Discounts | allegorithmic

先日のSteamセールに引き続き、allegorithmicのサイトでindie版のセールが開催されました。

Steam版のセールとは違い、既存ライセンスのアップデート(保守12カ月)権もありますので今のうちに上げておくと良いかもしれません。

セール商品

今回の値引きはindie版が対象です。

12カ月アップデート権付き新規ライセンス

  • Substance Indie Pack (299$ -> 199$)
  • Substance Painter Indie (149$ -> 99$)
  • Substance Designer Indie (149$ -> 99$)


12カ月アップデート権付き更新ライセンス

  • Substance Painter Indie (75$ -> 50$)
  • Substance Designer Indie (75$ -> 50$)

まとめ

Steam版はindieパックが約50%オフで2万円程度でしたが、今回の本家セールは約34%オフの199ドルなので、為替の関係上(約113円:2017/07/14時点)少し高くなります。

Steam版ほどの値下げは無いようですが、買い逃した方は要チェックです。

ライセンス形態が変わってから初めてのアップデート版セールなので、今後のセール方針は分かりませんが、 今回の更新ライセンスでSubstancePainter Ver.1やSubstanceDesigner Ver.5からもアップデートできますので、寝かせている人はアップグレードしてもいいかもしれません。

2017/09/30まで有効なSubstancePainter Ver.2のライセンスはアップデートの選択欄が出てこなかったので、アップデート権が有効なライセンスの期間延長という買い方は出来ないようです。(2017/07/14時点)

備考

2017/06からのライセンス形態

www.hildsoft.com

SubstancePainter2017.1.0

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新しいライセンス形態のSubstance Painter

6/20にSubstancePainterのメジャーナンバーではないバージョンアップが行われました。

以前アナウンスがあった通り、これまでのバージョンで区切りをつけるアップデート形式ではなく、随時機能追加を行っていくことになりました。

www.hildsoft.com

それに伴い、ソフト名も"Substance Painter 2"から"Substance Painter"になっています。

ソフト起動時に通知されていたバージョンアップのダイアログも出ませんので、今回はサイトからダウンロードする必要があります。

今回はソフト名が変わったからだと思いますので、恐らく次回のアップデートからは通知があるでしょう。

また、ライセンスキーも変更になっていますのでご注意ください。


ソフトの機能変更点

公式のニュースリリース

www.allegorithmic.com

ヘルプ

Version 2017.1 - Substance Painter - Allegorithmic Documentation

今回の大きな変更は2点、Substance Sourceプラグインの実装と、アセットの追加のようです。

Substance Sourceプラグイン

今まではWebブラウザでSubstance Sourceサイトにログインしてマテリアルをダウンロードしていましたが、 プラグイン実装でSubstance Painter上から直接ダウンロードすることができるようになりました。

直接Shelfに格納できるので、今までのようにファイルをダウンロードしてインポートするという手間が省けます。

使い方は今までと同様、メニューバーにあるSubstance Sourceのアイコンで開けます。Webブラウザの代わりにプラグインでダイアログが開きます。

アセットの追加

日本語や中国語のフォント、SF、幾何学、中世、ケルト風のアルファ画像、新しいフィルターなど、300近いアセットが追加されています。

標準の環境マップも修正されているようなので、少し黄色っぽく見える場合はそれが原因のようです。

パラメータで調整できるアルファ、フィルターが増えて作業の効率化ができそうです。

公開後にライブ配信された解説動画


What’s new in Substance Painter 2017.1

2017.2.0情報

www.hildsoft.com

Unityでクォータニオン(Quaternion)を扱うための基礎知識その2

  • Unityのクォータニオン
    • クォータニオンって何をするもの?
    • クォータニオンを構成するもの
    • オイラー角との関係
    • 回転方向
    • クォータニオンとオイラー角の回転は1:1対応じゃない
    • クォータニオンのもう一つの弱点

前の記事を見てない方はこちらを

www.hildsoft.com

以下は断りの無い限り回転角は度数法を使用し、単位は省略します。

Unityのクォータニオン

その1で、UnityでのGameObjectのクォータニオンを取る方法を説明し、加工するメソッドをざっと列挙しました。

大抵はこのメソッドを使ってやりたいことはできると思うのですが、もちろん例外も出てきます。

ただ単にメソッドを使うだけではなく、クォータニオンの使うための基本的な考え方ができるようになることを目指しています。

クォータニオンって何をするもの?

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Unityではクォータニオンを回転処理に使っています。

クォータニオンは回転操作であり、回転の状態を示すものです。

回転の状態は、基準状態から回転させたものと考えることができるので、実質は回転操作とだけ考えれば大丈夫です。

その回転方法ですが、空間上のある軸(x,y,zの3次元ベクトル)の周りを、ある角度(θ)を回転させます。

上記の図はZ軸を回転軸として回転させています。

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