Substance(indie版)ブラックフライデーセール2019

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Substance(indie版)ブラックフライデーセール

今年もセールやってます。 11/27~12/2

第四週に始まらなかったので少し不安でした。

去年の情報はこちら www.hildsoft.com

substance公式サイト

www.substance3d.com

adobeに買収されたから?
サイトもallegorithmic.comからsubstance3d.comに変わっています。

サブスクリプション

  • Substance - Annual Plan 219ドル/年 (セール価格:初年度149ドル、次年度以降219ドル)
  • Substance - Monthly Plan 19.9ドル/月(セール対象外)

ソフトは
Substance Painter
Substance Designer
Substance B2M
のセットに加え、毎月30個のSubstanceSourceにあるマテリアルをダウンロードする権利がついてきます。 こちらのDL可能数は蓄積されますので、必要になった時にダウンロードできます。

注意:去年までと異なり、サブスクを継続しても買い切りに変更することはできません。
その分年額サブスクが239ドルから219ドル(セール価格:159から149ドル)に変更されています。


買い切り

公式での買い切りライセンスは無くなりました。
今後買い切りライセンスを使用したい場合はSteam版を使用することになります。


保守プラン

  • Substance Painter 75ドル(セール価格:50ドル)
  • Substance Designer 75ドル(セール価格:50ドル)

公式での買い切りライセンスがなくなり、現在永久ライセンスを持っている方のみが対象になります。


Steam

こちらのセールは12/3までです。

現在(2019/11/28)、2019、2020と混在しています。
SubstandceDesigner2019は既にストアから消えているみたいで、検索しても出てきませんでした。

昨日まであったセットが無くなり、単品だけになっているみたいです。

  • SubstancePainter2019 ¥15,900(セール価格:¥10,494)
  • SubstancePainter2020 ¥15,900(セール価格:¥10,494)
  • Substance Designer2020 ¥15,900(セール価格:¥10,494)
  • Bitmap2Material 3 ¥10,300(セール価格:¥6,798)

Substance Painter 2019 on Steam

Save 34% on Substance Painter 2020 on Steam

Save 34% on Substance Designer 2020 on Steam

Save 34% on Substance B2M3 on Steam

既に過去のバージョンを持っている方は2018や2019から2020に移行すると¥5,406で購入できるようなので、 公式サイトの50ドルとほぼ同じ価格になるようです。(この割引が毎回あるか、公式のアップデートセールが毎回あるかは不明ですが)


購入パターン

通常価格と併記しています。

adobeの傘下に入った影響か、ライセンス体系が大幅に変わっています。

  • SP、SDの単品が欲しい(マテリアルなし)
    Steamでそれぞれ¥15,900(セール価格:¥10,494)

  • SP+SDを少しの期間だけ使いたい(マテリアルは30個/月)
    Substance - Monthly Plan 19.9ドル/月 (今回のセール対象外)

  • SP+SDを永続して使いたい

    • マテリアル重視(マテリアル30個/月)
      Annual Plan 219ドル/年 (セール価格:初年度149ドル、次年度以降219ドル/年or19.9ドル/月)
      注意:サブスク継続での永続化はできなくなりましたので、使用する間はずっと払い続けることになります。

    • 価格重視(マテリアル無し)
      Substance Pack2020が見当たらないので、SP、SD、B2Mをそれぞれ単品で購入することになります。

Steam版は年単位の最終バージョンまで提供はされますが、それ以降はSteamでのアップデートは対応せず、それを超えてのアップデートはSubstanceアカウントと紐づけて公式からDLすることでバージョンアップすることになります。

(例:2020/8に購入すると2021/8までアップデートできますが、Steam提供は2020のバージョンまでになるので、2021/8までにリリースされる2021バージョンはライセンスを紐づけて公式からのDL)

まとめ

サブスクからの永続化が無くなったので、選択肢はシンプルになりました。

Steam購入ライセンスを公式に紐づけることも継続なようなので、 マテリアルを大量に使う場合でなければ、Steamセール時を狙う方がお得だと思います。

もしマテリアルが必要であれば、数か月や1年単位のサブスク契約で必要な分だけ入手することもできます。

Substance(indie版)ブラックフライデーセール2018

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Substance(indie版)ブラックフライデーセール

今年もセールやってます。 11/21~11/26

去年の情報はこちら www.hildsoft.com

allegorithmic公式サイト

www.allegorithmic.com

サブスクリプション

  • Substance - Annual Plan 239ドル/年 (セール価格:初年度159ドル、次年度以降239ドル)
  • Substance - Monthly Plan 19.9ドル/月(セール対象外)

ソフトは
Substance Painter
Substance Designer
Substance B2M
のセットに加え、毎月30個のSubstanceSourceにあるマテリアルをダウンロードする権利がついてきます。 こちらのDL可能数は蓄積されますので、必要になった時にダウンロードできます。

サブスクリプションプランは、1年間の連続使用後に49ドル追加で支払うことで永久ライセンスに切り替えることができます。
この時、アップグレード権は付きませんので、切り替えたタイミグの最新版までの提供となり、最新版が必要な時に保守プラン(75ドル/年)を契約することになります。 切り替えずに継続してサブスクリプション支払いをしている間は常に最新版と毎月30個のマテリアルDL権が付属します。

購入時にPromotion code(BF18-SUB)を入力することで値引きが適用されますので、入力忘れにはご注意ください。

You already enjoyed last year’s Monster Discount for the yearly subscription? Unfortunately, you can’t redeem this offer again.

去年のセールを使った場合は今年はこのセールを使えないようですが、更新できないのか、追加ライセンスで購入できないのかは不明です。

追加でも購入できないのであれば、コスト的には永久ライセンスに切り替えてアップグレード対応していくことも検討した方が良さそうです。


買い切り

  • Substance Painter 149ドル(セール対象外)
  • Substance Designer 149ドル(セール対象外)
  • Substance B2M 3.x 99ドル(セール対象外)

こちらは12カ月の保守プランが付属します。

現状では保守プランが切れた場合は、いつでも再開できるので必要になったらバージョンアップが可能です。 ただし、Substance B2M は完成されたソフトのようで、殆どバージョンアップしていないようですね。

今年は公式での単品買い切り版のセールはありません。

単品を購入するならSteamがお得ですが、Steam版はアップデートできないので要注意です。


保守プラン

  • Substance Painter 75ドル(セール価格:50ドル)
  • Substance Designer 75ドル(セール価格:50ドル)

セットでの永久ライセンスの販売が終わっているからか、アップデートも無くなっています。

保守が切れた永久ライセンスを持っている方が対象になります。


Steam

こちらのセールは11/28までです。

  • Substance Pack ¥42,100(セール価格:¥20,838)
  • SubstancePainter ¥15,900(セール価格:¥10,494)
  • Substance Designer ¥15,900(セール価格:¥10,494)
  • Bitmap2Material 3 ¥10,300(セール価格:¥6,798)

Save 51% on Substance Painter + Designer + B2M (Bundle) on Steam

Save 34% on Substance Painter 2019 on Steam

Save 34% on Substance Designer 2019 on Steam

Save 34% on Substance B2M3 on Steam

Steam版では全て買い切りのみで、サブスクリプションはありません。

FAQ Substance | allegorithmic


購入パターン

通常価格と併記しています。

  • SP、SDの単品が欲しい(マテリアルなし)
    Steamでそれぞれ¥15,900(セール価格:¥10,494)

  • SP+SDを少しの期間だけ使いたい(マテリアルは30個/月)
    Substance - Monthly Plan 19.9ドル/月 (今回のセール対象外)

  • SP+SDを永続して使いたい

    • マテリアル重視(マテリアル30個/月)
      Annual Plan 239ドル/年 (セール価格:初年度159ドル、次年度以降239ドル/年or19.9ドル/月)
      サブスク継続で常に最新を利用可能

    • 価格重視(マテリアル無し、2000円程度の差)
      SteamでSubstance Pack ¥42,100(セール価格:¥20,838)(マテリアル無し)
      恐らく2019の最終バージョンまで提供はされますが、アップグレード不可

    • コスパ重視(マテリアル360個)
      Annual Plan 239ドル/年 (セール価格:初年度159ドル+ライセンス化49ドル)
      サブスク12か月目に永久ライセンス化で翌年以降は必要に応じてアップデート
      アップデート価格はSP、SDそれぞれ75ドル(セール価格50ドル)/年

まとめ

1ドル113.2円(11/22現在)なので、SP+SDを買うならsteamの方が少しは安いですが、 マテリアル360個も付いてくるので公式サイトの方がコスパは良いですね。

SPやSDのみ必要で数年おきの更新で良く、マテリアルも不要ならSteam版がお得です。

Blenderの3Dカーソル活用法

検証環境

Blender 2.79b(Windows10 64bit)

3Dカーソルとは

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この画像の紅白の輪っか部分と十字状の黒い線でできたカーソルです。(オレンジの点は立方体の原点)

初期状態では左クリックで移動できます。

Blender始めた人は色々なサイトや本、動画講座などで、オブジェクトを生成する位置の基準点と習うと思います。


3Dカーソルの用途は

3Dカーソルの用途は、一言で言うと基準点です。

オブジェクトを生成したり、移動、回転、拡大縮小など、何かを行う際の基準点になります。(Mayaを使っている方はピボットと考えると分かりやすいかもしれません)

要は作業用に移動できる原点みたいなものですね。

具体例は後にまわしますが、使えると便利なのは間違いないのです。


移動方法にクセがある

3Dカーソルの移動方法はいくつかあります。

  • 左クリックでクリックした点に移動
  • Shift+Cでグローバル座標の原点に移動
  • Shift+Sでメニューを出して指定した場所に移動

が主な移動方法です。

個人的には左クリックは使いません、というか狙った位置に動かせないので使いこなせません。

他の方がどのように使用しているか気になったので、ツイッターでアンケートを取ってみました。

回答してくださった半数以上の方が左クリックでの移動を使っていないのですね。

何故左クリックが使いづらいかというと、3D空間上にある点を2D画面上で動かそうとしても次元が1つ不足して直線上のどこかにしか置けないのです。


左クリックでの3Dカーソル移動

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3Dカーソルを原点に置き、スザンヌを作成しました。

次にこの平行投影の4視点のうち、右上のスザンヌを左クリックすると、3Dカーソルはどこに移動するでしょうか?

スザンヌの表面と思った方居ますか?

では、スザンヌをクリックせずに、空き領域をクリックした場合はどうなるでしょうか?

ここが直観的に分かりづらいので、3Dカーソルが使いづらいと思ってしまうのかもしれません。


では答え合わせです。


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右上の画面でクリックした場所と、左上の赤い直線の線上(正確には平面上)の交点に移動します。

クリックしたカメラのビューポートの平面で、3Dカーソルが存在する平面上を移動するのです。

もちろん、カメラを回せば3Dカーソルは別の平面上を移動することになるのです。

そして何より、一つのカメラの位置では3Dカーソルの奥行きを調整できないのです。

恐らく左クリックで移動と回答された方は、直行するカメラをつかって2回クリックすることで位置調整をしているのではないかと思います。

今回の例だと、右上以外のカメラであれば、異なる視点のカメラのうち2つをクリックすることでクリックした位置に3Dカーソルを調整できます。


Shift+Sでの3Dカーソル移動

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Shift+Sを押すと、スナップメニューが出てきます。

カーソルを移動させるものは、下の4つ。

  • カーソル → 選択物
  • カーソル → 原点
  • カーソル → グリッド
  • カーソル → アクティブ

です。

以下、個人的な仕様パターンも含めて効果を説明します。

選択物での移動は、現在選択している物の中心、複数選択して中心に移動させたい場合に使います。
複数配置したオブジェクトを回転させる中心を指定するときや、2点間の中点を指定するときに便利です。
指定した後にオブジェクトを作成したりすることも多々あります。

原点での移動は、Ctrl+Cでも同じことができます。
この場合はCtrl+Cと違い、カメラは移動しません。

グリッドでの移動は、現在の3Dカーソルをグリッド単位の近いところに移動させます。
グリッドに合わせて規則的な配置をしているときには微調整として使えますが、あまり使う機会はありません。

アクティブでの移動は、現在選択している物へ移動します。
選択物との違いは、複数選択していても、最後に選択したもの(アクティブな物)に移動します。
1つだけ選択している状態では、選択物での移動と同じなので、あまり使いません。

なので、スナップメニュー(Shift+S)でも使うのは選択物への移動がメインです。


そのほかの移動

先ほども少し触れましたが、Shift+Cで原点へ移動が可能です。

また、Nキーで表示される右側のシェルフにある3Dカーソル欄でも数値入力により移動可能です。


3Dカーソルの活用法

3Dカーソルの移動方法を整理したところで、活用法です。

最初の方に書きましたが、3Dカーソルは基準点です。

3D空間でオブジェクトを生成したり、規則的に動かす(移動、回転、拡大縮小する)場合は何かしらの基準点が必要になります。

大抵の場合はそのオブジェクトの原点や、アクティブポイントの原点を使いますが、それら以外の場合はダミーとなるオブジェクトを用意する必要があります。

そのダミーオブジェクトの生成位置を決めるために3Dカーソルを移動させるのです。(1回しか使用しない場合はダミーオブジェクトを作らなくてもokです)


原点の指定

ドアの開閉を行うモデルを例に挙げます。

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ピッタリ作ると見づらかったので、ドアを少し小さめに作成しました。

壁とドアは親子関係を設定しています。

壁の原点は底面の中央、エッジの中央、四隅の頂点のいずれかを設定することが多いと思います。

この場合は線対称で作成していることと、原点を底面の中央にしているためメニューの[オブジェクト>適用>位置]で設定され、特に3Dカーソルを使用することはありません。

では、ドアの原点はどのように設定したらよいでしょうか?

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編集モードで回転軸となる部分をイメージして、ループカットを挿入します。(ループカットで増やした頂点は後で消しても構いません)

この部分を選択し、スナップメニュー(Shift+S)からカーソル → 選択物をクリックして、3Dカーソルを回転軸の中央に設定します。

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オブジェクトモードに戻り、[オブジェクト>トランスフォーム>原点を3Dカーソルへ移動]で3Dカーソルの位置に原点を移動します。

これにより、ドアを選択してZ軸回転をするだけでドアの開閉が出来るようになります。

原点はオブジェクトモードでしか設定できません。ですので編集モードの頂点などを指定して原点とすることはできないのです。

ここで一時的に3Dカーソルを指定して、原点位置を決定することができます。


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他にも一時的なピボットとして使うこともできます。

操作したいものと別の基準点が必要になる時には3Dカーソルのことを思い出してみてください。


誤クリック対策

3Dオブジェクトは「元に戻す」が使えません。

基準点にするために、Shift+Sでの操作をメインに使っていますが、位置調整のために事前に何度かの操作をしているにもかかわらず誤クリックで移動してしまうのは厄介です。

しかし、3Dカーソルが視界に入って邪魔な場合があります。消したいけど消せないので、邪魔にならない所に避難させることがあります。

その辺の兼ね合いから、3Dカーソルを左クリックではなく、ctrl+shift+左クリックに変更しました。

参考にしてみてください。

Substance Painter 2018の基礎レベルをざっくりと(テクスチャを作成)

前の記事

www.hildsoft.com


使用環境

Substance Painter 2018.1.3

テクスチャを作成

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テクスチャを画像形式でエクスポートすることで、他のDCCやゲームエンジンなどで使用することができます。

テクスチャを作成するには[ File > Export Textures... ]を選択してダイアログをダイアログを開きます。


エクスポート設定

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出力形式の設定を切り替えることで、使用する環境に合ったテクスチャを出力できます。

ファイルの種類やチャンネルの設定など、最初はデフォルトの設定でかまわないと思います。

Substance Painterの方でよく使うテクスチャ設定を用意しているので、それを選ぶだけで必要なテクスチャを出力してくれます。

この設定はプロジェクト作成時に設定したものになっていますが、ここで変更することも可能です。

出力時によく変更するものとしては、

  • 出力先のフォルダ
  • テクスチャファイルサイズ
  • 出力するマテリアル用のテクスチャのON/OFF

くらいだと思います。

これらは全てこの画面で変更できるので、出力の際に切り替えてください。


もし特殊なテクスチャ(例えば水濡れ表現のために、下から上に向かってマスクが掛かっていくテクスチャなど)を出力する場合は、 CONFIGURATIONから設定を追加することになります。

詳しい設定はこちらの記事を参照してください。

www.hildsoft.com


最後に

いきなり細かいところまで覚えるのは大変なので、かなりの機能の説明を省略して流れを重視して記事を書いてみました。

Substance Painterを使用したテクスチャ作成の流れを一通り簡単に説明したつもりですが、 ここからは各工程での細かい機能や操作、テクニックなどを覚えることで Substance Painterのより効率的な使い方、高品質なテクスチャワークが可能になると思います。

この記事がSubstance Painterを習得する上での足がかりになれば幸いです。

Substance Painter 2018の基礎レベルをざっくりと(ペイント手法)

前の記事

www.hildsoft.com


使用環境

Substance Painter 2018.1.3

ペイントの手法

ペイント手法は大きく分けて3パターンあると思っています。

ワークフローのところで軽く触れましたが、

  • マテリアル(スマートマテリアル)で塗りつぶす
  • ステンシルを使う
  • ブラシで直接塗る

の3つです。

マテリアル(スマートマテリアル)で塗りつぶす

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マテリアルは、直訳すると原料とか材料という意味があります。

マテリアルを使用することで、実際の素材を簡単に再現することができます。

例えば鉄、錆びた鉄、綿、麻、プラスチックなどです。

中には模様や、経年劣化を数値で簡単に調整できるようなマテリアルも存在します。


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Substance Painterでは最初からいくつか用意されていますが、足りない分はSubstance Designerで作成したり、Substance Share、Substance Sourceから取得することもできます。

マテリアルを使用せずに単色や固定値で塗りつぶすことも可能ですが、トゥーンやデフォルメ調の物以外では殆ど使うことは無いと思います。

というのも、想像上の物なら自由に調整してイメージに合うものを探せばいいですが、現実にあるものを表面の粗さや金属感を設定して実物に近づけるのは手間がかかるからです。


「マテリアルで塗りつぶしたものをその後どうするか」ですが、基本は何もしません。

テクスチャに異なる部品がある場合が殆どだと思いますので、マテリアルによる塗りつぶしは素材本来の下地を作ることに当たり、その場合はマテリアルを適用する範囲をマスク指定するくらいです。

マテリアルによっては「くすみ」や「汚れ」などに対応している物もありますが、後から部分的に行う効果については、 別のレイヤーを用意して重ねていく事になります。


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ここで効果を発揮するのが、スマートマテリアルです。

マテリアルは様々な場面で使えるように、なるべく軽く、シンプルなものになっています。

しかし複雑な表現をするには物足りないので、いくつかのレイヤー設定を纏めたものがスマートマテリアルです。

マテリアルはブラシなどで使える基本部品ですが、スマートマテリアルはレイヤーの集合なのでブラシやフィルレイヤーへの適用はできません。

スマートマテリアルはSubstance Painterで作成できますので、ペイント作業を進めていって他のモデルにも使いたいような場合にエクスポートして再利用できます。

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ステンシルを使う

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ステンシルはマスクと併用することが多いです。

主な使い方は2通りあって、上記のサンプルの様に

  • マテリアルのマスクに対して使う方法
  • マテリアルを塗る際の保護として使う方法

です。

前者は、カッティングシートのように、マテリアル自体を作成する時に使用するイメージ

後者は、マテリアルをスプレーなどで直接描く場合に他の部位を保護するイメージ

マテリアルの模様の向きや、後々の変更対応、作成の手間などを考慮したうえで使い分けると良いと思います。

これを使うことで、ペイント機能が2D用のソフトほど強力ではないSubstance Painterでも、フリーハンドで直接描くより綺麗に素早くペイントすることができます。

マテリアルでは表現できないorマテリアルに用意されていない場合に組み合わせでデカールなど微調整が可能になります。

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ブラシで直接塗る

2Dペイントに慣れ親しんでいる人はこの方法が一番楽に塗れると思います。

ですが、多用することはあまりお勧めできません。

個人のスキルに依存しますが、表現力は細部までカバーできて一番柔軟にペイントできる反面、再利用が難しくなります。

一点ものを毎回作るのであれば直接塗った方が効率は良くなるのですが、単なる3Dペイントツールになってしまうので、Substance Painterの利点があまり活かせません。


ペイントの方針

2Dで絵が描ける人ほど、手作業で描いてしまいがちです。

確かにそれで要件を満たせば問題はないのですが、「変更に強く、再利用可能である」ことがSubstance Painterのメリットの一つなので、うまく機能を使うことで量産速度の向上による時短、品質の安定化、空いた時間を拘りたいところに割く、作業効率向上により単価を上げるなどが可能になると思います。

スマートマテリアルのレイヤー構造は、Substance Painterを使いこなすうえで重要なレイヤー構成の勉強になるので参考にすることをお勧めします。


次の記事です。

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Substance Painter 2018の基礎レベルをざっくりと(ペイントする上での基礎知識)

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前の記事

www.hildsoft.com


使用環境

Substance Painter 2018.1.3

ビューポートの基本操作

モデルを様々な角度から見て確認するために、簡単にビューポートの操作を確認しておきましょう。

タンブル(Alt+マウス左ドラッグ)

オブジェクトの回転動作です。

カーソルのある位置を中心に回転します。

何もないところから開始すると、前回の操作位置を中心に回転します。

UV表示でもほぼ同じですが、UVの場合は何もないところを中心に回転することもできます。

操作中にShiftを押すと90度毎にスナップします。


パン(Alt+マウス中ドラッグ)

カメラを平行に移動させます。

UV表示でも同じです。


ズーム(Alt+右ドラッグ) or マウスホイール

カーソルのある位置を中心に拡大/縮小します。

何もないところから開始すると、前回の操作位置を中心に拡大/縮小します。

UV表示でもほぼ同じですが、UVの場合は何もないところを中心に拡大/縮小することもできます。


全体表示

カメラやオブジェクトの位置が操作しづらくなった時など、ショートカット[F]キーでメッシュ全体を表示する事ができます。


最初の内は、ビューポートの操作はこのくらいで十分だと思います。


レイヤーとチャンネル

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Substance Painterではマテリアルごとにレイヤーを作成し、レイヤーに対してペイントを行います。

マテリアルごとにレイヤーがある点以外は2Dのペイントソフトと一緒です。

そして複数のテクスチャを管理するためにレイヤーごとに複数のチャンネルがあります。

Substance Painterで扱うようなチャンネルの概念は2Dペイントツールには無いと思うので確認しておいてください。


2種類のレイヤーとマスク

レイヤーには次の2種類があります。

  • 通常レイヤー
  • フィル(塗りつぶし)レイヤー


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通常レイヤーは、ブラシなどを使って自由に描画できます。2Dのペイントツールでもよく使われるものです。

プロパティ表示も、使用中のブラシが表示されます。

一方、フィルレイヤーはブラシなどは使えず、マテリアルや単色で塗りつぶしを行う事しかできません。

プロパティもレイヤーに対するものが表示されます。


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それぞれのレイヤーに対して、マスクを設定できます。

マスクは、そのレイヤーのどの部分をどの程度適用するかという値を持ったグレースケールの画像データです。


レイヤーもマスクも、それぞれジェネレーターやフィルタなどのエフェクトを適用してプロシージャルな構成にすることができ、可能な限りそのようにデータを作る方が後々の変更に強くなります。

その分手間はかかるので、仕様に合わせて最適な方法を選ぶことになります。

今回は大まかな説明なので省きますが、そういう物があるという程度に覚えてもらえば十分です。


チャンネル

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レイヤーには、複数のチャンネルを設定できます。(初期設定時のテンプレートで設定されますが、追加、削除、フォーマットの変更も可能です)

チャンネルはレイヤーと同じUVに対して、異なる意味を持った情報を持つためのテクスチャです。

例えば、1ピクセルに対して、グレースケールだと1つ、フルカラーだとRGBで3つ、透明度を加えるとさらに1つという形で増えていきます。

カラー+透明度の情報を持たせたデータに、金属質感、表面の粗さ、凹凸、発光などなど、シェーダーで扱うための追加情報を持たせたい場合はチャンネルを追加する必要があります。


2Dペイントソフトでブラシを使って何か描く場合、RGBAの4つの値を描きこむことになります。

Substance Painterでは5つ以上の値を同時に描きこむことで、色や透明度に加えて、質感なども同時にペイントすることが出来るわけですが、画像フォーマットは一般的に4つのチャンネルしか持っていません。

そこで、チャンネルとして分割することで、4つのチャンネルを扱えるカラーチャンネル、1つのチャンネルを扱えるグレースケールチャンネルを用意し、1つのレイヤーに複数設定することで5つ以上の情報を持つことを可能しています。

これらのチャンネルのデータは、最終的にどのようなフォーマットで出力するか、エクスポートの設定で自由に変更することができます。

ここで指定しているフォーマットは、Substance Painter内部で使用するためのものです。


次の記事です。

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Substance Painter 2018の基礎レベルをざっくりと(ペイント前の初期設定)

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前の記事

www.hildsoft.com


使用環境

Substance Painter 2018.1.3

ペイントを始める前の初期設定

モデルの設定

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メニューから[File>New...]を選択して、プロジェクト初期設定用のダイアログを開きます。


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図で示している3か所をチェックします。

Templateを決めるとその他の設定値も変わったりするので、最初に設定します。 特に決まっていない場合は「PBR - Mmetallic Roughness」を選択しておきます。

次にペイントするメッシュファイルを選択します。
Substance Painterはマテリアル単位でテクスチャを管理するので、DCCツール側でUVが重ならないようにマテリアルを割り当てておきます。

Document resolution(解像度)は高いほど細かなペイントができますが、その分処理が重くなるので2048くらいで作成してみて 重い場合は1024以下に落として使いましょう。

これ以外の設定項目は今回は設定せずに進めます。

設定が終わったら、「OK」ボタンでダイアログを閉じます。


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読み込みが終わるとプロジェクトが作成されます。

3Dはモデルの形状、2DはUVの表示になります。ペイントはここで行いますが、初期設定中なのでまだ触る必要はありません。


「TEXTURE SET LIST」にDCCツールで設定したマテリアルが表示されているか、要らないマテリアルまで読み込んでいないかをチェックします。

不備がある場合はDCCツールまで戻り、モデルを再度エクスポートしましょう。

また、マテリアルごとにUVが展開されているかをざっと確認してください。

重なっている物があればペイント時に同じペイントが適用されてしまうので、容量節約など意図的に重ねている場合以外は修正が必要です。


「TEXTURE SET SETTINGS」には、テクスチャチャンネルの種類やファイルフォーマットが表示されています。

これは先ほど選んだテンプレートで自動で用意されますので、勉強段階では特に修正する必要はありません。


「Mesh maps」では、外部からインポートしたマップやベイクで作成したマップなどを設定することができます。

Substance Painterの機能は、ここで設定したマップの情報を参照して様々な自動処理を行うことができます。

綺麗なマップを作成するには、モデルの複雑度によって色々と工夫が必要になりますが、今回は簡単にベイクするだけで作成します。


初期ベイク

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[Bake Mesh Maps]ボタンでダイアログを表示し、[Bake all texture sets]ボタンをクリックするだけです。

複雑なモデルでなければ初期設定のままで大丈夫です。


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ベイク作業はPCの性能や作業解像度にもよりますが、結構時間がかかります。何度も行う作業ではないので、終わるまでゆっくり待ちましょう。

終わるとそれぞれの箇所に自動で設定されます。

それぞれのマップの意味は追々勉強する必要が出てくると思いますが、ここでは様々な機能を使うための補助データ程度に理解しておいてください。

ベイクは後の工程でも再実行できますが、問題が発生する場合が多いので極力最初の段階で確定させましょう。


ベイクが上手くいかない場合

自動設定でベイクを行うと、特にメッシュが込み入った部分で自己ないし相互干渉して、意図しないところに線や影が発生することがあります。

逆に影ができるはずなのに無かったり途切れたりすることもあります。

複雑なモデルほど、自動設定ベイクでは対応できない場面が出てきます。

この場合はケージ(Cage)となるメッシュを用意したり、各種パラメータを調整する必要があります。

原因が多岐にわたり、モデルごとに個別の調整となるケースが殆どなので仕組みへの理解が求められます。

気になる方は勉強してみてください。

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